ChatGPTをきっかけに「AIリテラシー」について考えた

ChatGPTとの衝撃の出会いから1ヶ月。(公開は昨年11月30日でしたが、私は1月20日に出会いました)

これからChatGPTのAPIが出てくると、色々なツールやアプリが裏でChatGPTを使えるようになります。個人的には、英語学習系のアプリ・ツールがどのくらいChatGPTを生かせるのかが楽しみです。学習ログと組み合わせて、自動でChatGPTを使ったAIコーチが声がけをしてくる、というのはすぐ出てくるだろうと思います。また、学習者のチャットでの質問や英文の間違いにより、その人の苦手な分野、間違えやすい単語などもたまっていくので、そうしたデータベースを使ったアクティブなレッスン(AIが個別化した教材やカリキュラムを作ってくれる)も出てくるでしょう。

英語に限らず、学習分野は一気にAI活用が進むと思います。学校や先生が禁止したとしても、自宅では生徒はAIを使うようになります。そして、ビジネスの世界では、AIをうまく活用できる人が評価される社会になります。そんな社会で、子どもたちはいつから、どのようにAI活用を学ぶべきなのか、先生や親は子どもたちのAI活用に対してどう向き合うべきなのか。

個人的には、これはスマホを何歳から持たせるか、SNSを解禁するか、という話とは全然別で、AIは電気やガスのようなインフラに近いもの、あるいは車や電車のように「あれば絶対使いたいもの」になると思いますので、仕事や日常生活で使わない手はない、子どもにも使わせない手はない、と思っています。ただ、子どもたちは、おそらく他の情報に出会う前にAIから情報を得る生活を送ることになります。赤ちゃんが言葉を覚えるより前に、AIアシスタントが語りかけてくる生活になるでしょう。そのときに、AIだって間違えることがあると、どうやって教えればいいのか。他の何を使って正しい情報を確認しようと教えるべきなのか。新聞だってテレビだって間違えます。本も怪しいものがたくさん出ています。現時点でも、正しい情報を見極めることはかなり難しいわけです。

これまでAIは使いたい人が使うもの、という印象でしたが、ChatGPTの登場で、誰でもAIリテラシーが必要とされる時代になりました。待ったなしです。

OpenAIの利用規約も変更されて、ChatGPTが出てきた当初は「18歳以上しか利用できない」だったのが、2月には「18歳以上もしくは18歳未満でも保護者の同意があれば利用できる」に変わり、3月1日からは「13歳以上じゃないとダメ。18歳未満の場合は保護者の許可が必要」に変わりました。これからも利用規約の変更はあると思いますが、現時点では、中学生以降は保護者の許可があれば使えるツールということです。既に、先進的な先生は、高校生向けの英語ライティングの指導でChatGPTをうまく活用するように勧めているそうです。

私は7歳の息子がいるのですが、私がChatGPTを使っている様子を見せて「この子は何でも答えてくれるけど、間違うこともあるよ」ということを教えました。それから息子は、ChatGPTのことをかわいがっていて、何か知りたいことがあると私に「ChatGPTに聞いてみて」と言います。でも、自分が思っているのと違う答えが返ってくると「それは違うよ、嘘つかないで」とChatGPTに向かって言います。時々嘘をつく友達のようにChatGPTを扱っているようです。あっという間に、ChatGPTの性質と使い方を学んでいるようです。

柔軟な子どもよりも、大人のほうがAIリテラシーを身に付けるのは大変かもしれません。

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