ソーシャルイノベーションフォーラム2018に参加しました

今日は青山学院大学でソーシャルイノベーションフォーラム2018に参加。

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日本の社会課題について様々な小テーマで解決策を考えるフォーラムで、私は教育に興味があって参加しました。

オープニングの基調講演は、小泉進次郎議員と長谷部健渋谷区長。小泉さんは本当にプレゼンスキルが高い。何百人もいる中で、まるで何度も自分と目が合っているように思わされるアイコンタクト、大事な言葉を印象づける抑揚とポーズの使い方。ダイナミックでパワフルに見せるジェスチャーの使い方。そして、「えー」などのfillerがほとんどない。これ、日本人ではとても珍しいと思います。決してペラペラ話し続けているわけではなく、「えー」と普通は言ってしまうところを、ポーズに置き換えているのです。これがとても印象的でした。ちなみに、中身はソーシャルイノベーションと関連のある話だけで、総裁選の話などはありませんでした。

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一個目に聞いたセッションのテーマは「体験って必要ですか?」

N高の上木原副校長の話が聞きたくて参加したのですが、思いがけず、他のお二人の登壇者、ドミニク・チェンさん、内野加奈子さんのお話もとても面白く、SNS利用をポジティブな体験に変えていくための手法や、普段眠っている人間の感覚のスイッチを入れられるほどのリアルな体験を、どこまでバーチャルなもので代替できるのか、ということにも興味が湧きました。

N高は去年から通学コースを始めましたが、「N高なら通いたい」という生徒の声を受けて、来年には校舎が13個に増える予定とのこと。そして、通学コースでは、リアルでしかできないこととして、座学はなくし、脱出ゲームを1ヶ月かけて作るPBL(Project Based Learning)や、将来やりたいことを話すための月次面談などをしているそう。

次に聞いたセッションは「僕たちは学校に行かない」

こちらは、東京コミュニティスクール初代校長の市川力さんがモデレーター。ティール・フェローシップを受け取って起業しているZach Lattaさんや、東大先端科学技術研究センターのROCKETプロジェクトの福本理恵先生、一期生の3名が登壇されました。

ROCKETプロジェクトは、「異才発掘プロジェクト」と銘打ってはいますが、ウェブサイトの説明によると、「ここで選抜された子ども達が異才であると我々が評価しているわけでもありませんし、彼らを万能な天才に育てるプロジェクトでもありません」とのこと。ROCKETは “Room Of Children with Kokorozashi and Extra-ordinary Talents” の頭文字をとったもの。つまり、志ある特異な(ユニークな)才能を有する子ども達が集まる部屋(空間)なのだそうです。

ROCKETプロジェクトのスカラー生になった子どもたちが何をするかというと、「体験を通して知識を俯瞰する」ABL(Activity Based Learning)、「プロジェクトを通して物事の進め方を学ぶ」PBL(Project Based Learning)、世界で活躍するトップランナーの生き方を学ぶTop Runner Talk、国内外へのStudy Tourなど。プロジェクトリーダーの福本先生のお話によると、ROCKETでこうした内容を子どもたちに学ばせるのは、人が生きる生き様にふれるため。異才を発掘して伸ばすのではなく、そのユニークな才能を自分で伸ばすための手伝いをしているのですね。

不登校の子どもたちが通える、学校に代わる場としてのフリースクールはありますが、費用がかかることや、不登校の生徒の全員をカバーできるほどの数がないことなどから、ユニークな子どもたちの受け皿は十分ではありません。その中で、居場所の一つの選択肢としてのROCKETプロジェクトは、すばらしい場だと思いました。ただ、「異才発掘プロジェクト」という別名のほうが有名になっているように感じて、そうすると、その選抜で選ばれなかった子どもたちは、それをどういうふうに受け止めるのかな、その後、ほかの選択肢を自分で主体的に選ぶことができているのかな、ということが気になって、モヤモヤしました。

セッションの中で、ROCKET一期生の一人がこう言いました。

「全ての人は、自分のまま生きられるべき」

そういうふうに、みんなが言えて、思えて、実行できる社会にしたいと、私も思います。

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