読書会レポート『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

2018年10月8日、読書会を開催しました。
課題書籍はこちら!
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』
(新井紀子著・東洋経済新報社)

2018年2月発売の本ですが、25万部超えのベストセラーになっています。

著者の新井紀子さんは、一橋大学法学部、イリノイ大学数学科卒業。イリノイ大学大学院数学研究科を経て、東京工業大学より博士(理学)。2006年から国立情報学研究所教授。2008年から同社会共有知研究センター長。数理論理学を専門とされる研究者です。
2011年から人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタも務められています。このプロジェクトについてはメディアでもたくさん取り上げられているので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

AIをタイトルに入れた本はたくさん出ていますが、この本はとてもわかりやすく、「AIって実際何ができるの? AIにできないことは何? シンギュラリティって本当に来るの?」などの疑問を持っている人には特におすすめの1冊です。

さて、今回の読書会は、会場の関係もあって、6名+オンライン参加1名という少人数で行ってみました。第1回にも参加いただいた方の感想では、少人数のほうがリラックスしてたくさん雑談ができたり、お互いどういう人かがわかっていい、という声がありました(前回は自己紹介の時間も取れなかったので、それはそうですよね……)

今回の流れは以下のとおりです。全体で2時間ほどでした。

【タイムテーブル】
・自己紹介(名前、仕事、参加動機)20分
・流れの説明、分担 10分
・リーディングタイム 25分
・シェア 30分
・ディスカッション  15分
・シェア 10分
・ラップアップ 5分

今回の読書会もABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ)形式をベースにしましたが、決まった枚数で文章を抜き書きするのではなく、付箋をたくさん使って、自由にキーワードや文章を書いていただきました。枚数が決まっていると、どの部分を大事なものとして抜き出すのかを考えるのに時間がかかってしまいそうだな、と思ったので、制限なしにしたのです。

また、ファシリテーターのほうで、事前に各パートごとに大事な部分を小見出し単位でハイライトして、時間が無くなりそうな方には、その部分を中心にまとめてもらうようにしました。これも好評でした。

30分弱のリーディングタイムの後、一人ずつ前に付箋を貼りながら、大事なポイントをシェアしてもらいましたが、このときにも前回のように時間を計ってどんどんリレーで繋いでいく方式ではなく、疑問に思ったことやコメントをその都度他の人からフィードバックしてもらいながら、インタラクティブに進めました。

少人数だからできたやり方かもしれませんが、このほうが全体として理解が深まりやすいように思います。ディスカッションでは、お題を5つほど用意しておきましたが、みなさん、思い思いに感じたことを話されていました。

ちなみに、用意したお題は以下の通りです。
・新井さんの未来予想図についてどう思うか?
・AIに対抗する手段は読解力なのか?
・なぜこの本がベストセラーになっているのか?
・新井さんに聞きたいこと、反論したいこと
・Next Action(この本を読んで、次に実行してみたいこと)

今後も試行錯誤しながら、楽しく、刺激的な読書会を作っていきたいと思います!